2021年1月5日に豊洲市場でマグロの初競りが行われます。
1億円以上の高値で落札されることも珍しくないマグロの初競りですが、落札されたマグロを釣った漁師の取り分はどれくらいなのでしょうか?
気になる漁師の取り分について調べてみました。
【マグロ初競り2021】漁師の取り分はいくら?税引き後の手取りが少なすぎ
マグロの初競りで気になるのは、落札されたマグロを釣った漁師の取り分ではないでしょうか?
一般的に、漁師の取り分は落札価格の8割台後半と言われています。
漁師の取り分について、朝日新聞の記事に詳しく書かれてありました。
落札した仲卸業者は、競りを開いた築地市場側に代金を支払います。築地市場側は手数料を引き、信用漁業協同組合連合会(信漁連)が管理する漁師名義の口座に現金を振り込みます。
漁協側の取り分や箱代、運送費など出荷コストを差し引いた分が、漁師の取り分となります。大間漁協の関係者によると、ざっと8割台後半が漁師の取り分になるそうです。
かなりの大金になりますが、初競りで最高値を記録した経験がある漁師の一人は「税金でだいぶ持っていかれる」と言います。経営規模などにもよりますが、税金を払い、最終的に手元に残るのは落札額の6、7割くらいになるようです。
まとめると、
漁師の取り分は落札価格のおよそ8割後半
差し引かれる2割は、漁業協同組合や市場への手数料となります。
大間漁連経由での出荷とするならば、 手数料として、卸売金額に対して大間漁連4% 青森県漁連1.5% 築地市場5.5%です。
そこからさらに経費、税金が差し引かれ、
最終手に手元に残るのは6〜7割
となります。
「税金でだいぶ持っていかれる」
という漁師さんのコメントの通り、一番の痛手となるのが所得税。
課税所得 | 税率 |
195万円以下 | 5% |
195万円〜330万円 | 10% |
〜省略〜 | |
4000万円超え | 45% |
所得が大きいと支払う税金も高くなり、4000万円を超えると最高税率の45%が適用されます。
次に、2019年のマグロ初競りの落札価格を例にして説明します。
【マグロ初競り2019】いくら手元に残ったか算出
2019年のマグロの初競りを例に説明します。
ここでは落札価格の89%を取り分として計算します。
2019年では、マグロがなんと3億3360万円で落札されました。
そして、3億3360万円の落札価格から、漁業協同組合や市場への手数料を差し引き、漁師の手元に残るのが2億9690万円となります。
続いて税金が引かれます。
課税所得 | 税率 |
195万円以下 | 5% |
195万円〜330万円 | 10% |
〜省略〜 | |
4000万円超え | 45% |
4000万円を超えているので、最高税率の45%が適用されます。
税金を支払った後に残るお金は1億6329万円となります。
落札価格:3億3360万円
手元に残る額:1億6329万円
かなり減ってしまいましたね。
マグロ漁には船の燃料代などの諸経費もかかっているので、純利益はさらに低くなると思われます。
【マグロ初競り】歴代の落札価格
過去10年間のマグロ落札価格をご紹介します。
年 | 落札価格 | マグロ重量 |
2010年 | 1628万円 | 233kg |
2011年 | 3249万円 | 342kg |
2012年 | 5649万円 | 269kg |
2013年 | 1億5540万円 | 222kg |
2014年 | 736万円 | 230kg |
2015年 | 435万円 | 180kg |
2016年 | 1400万円 | 200kg |
2017年 | 7420万円 | 212kg |
2018年 | 3645万円 | 405kg |
2019年 | 3億3360万円 | 278kg |
2020年 | 1億9320万円 | 276kg |
落札価格が高額で驚きますが、「最初のせり」ということでお祝いや景気付けの意味を込め、高値で取引されるそうです。
2012年には、近年初競りで名を馳せている「すしざんまい」でお馴染み“喜代村”が参入。
「マグロを高く競り落とす寿司屋」として毎年注目を集めています。
まとめ
今回の記事では、マグロ初競りにおける漁師の取り分について調べていきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。